高速発射気泡による「針なし注射器」の開発に成功 – 芝浦工業大学

「針なし注射器」の開発に成功
日付:2014年12月07日
配信元:芝浦工業大学
芝浦工業大学機械工学科の山西陽子准教授は、針を使わずに気泡の圧力で試薬や遺伝子までも体内に届けることのできる「針なし注射器」の開発に成功しました。
市販の針なし注射器はバネの力で液体を高圧で発射し、皮膚を貫いて筋肉に薬剤を投与するものなどが開発されてきましたが、これは神経を傷つける恐れや、多少の痛みを感じるなどの問題がありました。
山西准教授は2012年に、液体中で電圧をかけることで高速発射されるマイクロレベル(1/1000)の気泡の破壊力を利用して細胞を切開、試薬や遺伝子を輸送できる「マイクロバブルインジェクションメス」を開発し(特許第5526345号)、細胞への新しい遺伝子導入デバイスを提案しています。
今回このデバイスの構造を改良することで、空気中でも使用可能、直接皮膚に押し当てるだけで、注射技術の習熟度に関係なく、痛みを伴わずに高精度で試薬を目的の場所へ輸送することのできる新たな注射器を開発しました。
今後はさらなる構造の最適化を図り、企業と連携するなどして実用化を目指していきます。