積水化学が自信を持って送り出す排水処理システム「フィルチューブ」

水処理膜システム「フィルチューブ」
日付:2014年8月19日
配信元:msn産経ニュース
積水化学工業が開発し5月に発売した水処理膜システム「フィルチューブ」は、処理膜の点検や交換など大掛かりだった作業を容易にした製品として注目を集めている。
難関だったエネルギーコストの問題も、独自開発した膜の素材で解決に導いた。
<写真解説>フィルチューブのミニチュアを使った濁った水の濾過実験。左側のフィルチューブ内を通ると、下の濁った水が透明になって出てくる。
水処理膜を使った排水処理設備は、汚れを反応させるのに使う微生物を入れたタンクの中に処理膜を沈める槽内型が主流だ。
だが膜のメンテナンス時に、タンクから膜を引き上げる必要がある。大杉氏は「タンクの上での作業は危険で、実際に作業員がタンクの中に落ちたりすることもある」と指摘する。
これに対し槽外型は、膜を洗うにせよ交換するにせよ、タンクの外に最初から処理膜があるため、槽内型のような手間もトラブルも起きない。さらに追加の設置も可能なため、処理能力を上げることも容易という。
省エネ設計を可能にしたのは、フィルチューブの膜材料。
塩化ビニール系の樹脂だが、高い透水性能をもつため、小さな圧力で水を濾過させることができる。また水が膜を通るときに水の層ができ、汚れの付着を抑えるという。
「パイプ会社は世界にたくさんあるが、樹脂から重合して押し出しの金型、製品まで作っているのは世界でおそらく積水化学工業だけ」と大杉氏は胸を張る。